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アジサイの日

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【6月6日はアジサイの日】逆さ吊りお守りの効果と由来、正しい作り方を徹底解説!

6月の梅雨の時期、雨の中で瑞々しく咲き誇る「アジサイ(紫陽花)」。実は、古くから日本人の暮らしに息づいてきました。とても優しく神秘的な「祈りの風習」があることをご存じでしょうか。

毎年6月6日は「アジサイの日」とされております。この日にアジサイを「逆さまに吊るして家のお守りにする」という風情ある習わしが全国各地に残っています。

「なぜ逆さまに吊るすの?」「どんなご利益がある?」といった疑問があります。そこで、江戸時代の面白い歴史的ルーツ、現代のSNSでのリバイバルなどをご紹介します。そして、自宅で試せる正しい作法まで、分かりやすく紐解いていきます。

アジサイの日

なぜ6月6日?「アジサイの日」の由来と数字の謎

まず、なぜ「6月6日」がアジサイの日とされています。特別な力を持つと信じられているのか、その背景にある日本の伝統的な暦や季節の節目から解説します。

二十四節気「芒種(ぼうしゅ)」の生命力

実は、日本の伝統的な暦(二十四節気)において、6月上旬はちょうど「芒種(ぼうしゅ)」にあたります。カマキリが生まれ、蛍が飛び交い、梅雨入りを迎える時期です。そして、水分をたっぷりと含んだアジサイが1年で最も美しく満開を迎える「最盛期」です。ですから、植物としての生命力が最高潮に達する時期だからこそ、アジサイが持つ「霊力」や「薬効」も最大になると先人たちは考えました。

公式にはない「裏の節句」

かつて、古代の日本では、3月3日(ひな祭り)や5月5日(こどもの日)など、奇数のゾロ目の日を季節の節目である「五節句」として邪気払いの行事を行ってきました。しかし、 偶数である「6月6日」は公式な節句には含まれていません。ですが、民間ではむしろ「梅雨の最盛期であり、病魔が最も活発になる時期のゾロ目の日」として信仰されました。特に、自主的に特別な日、いわば「裏の節句」のように捉えるようになりました。

吉祥の数字「6」への信仰

さらに、古来、日本において「6」という数字には特別な意味が込められてきました。

  • 水の象徴: 陰陽五行説において、6は「水」に関係の深い数字とされます。

  • 魔除けの結界: 六角形が魔除けの紋章とされていました。そこで、6には「邪気を跳ね返す力」があると信じられていました。

  • 商売繁盛: 「むい・ろく=流れるようにうまくいく」という語呂合わせから、物事が上向く数字とされました。

そのため、6月6日や、6月の「6のつく日(16日、26日)」は、吉日とされました。そこで、アジサイの持つ神聖な力を引き出すための特別な日とされたのです。

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どこに飾る?アジサイを吊るす「3つのご利益」

まず、アジサイを逆さまにして吊るすご利益は、飾る「場所」によって大きく3つの意味合いに分かれています。

吊るす場所主なご利益・意味合い
玄関や軒先魔除け・厄除け・家族全員の健康(無病息災)
トイレ(便所)下の病気封じ(婦人病予防・老後の排泄の悩み解消)
自室やキッチン金運・財運アップ・お金に困らない
① 玄関や軒先:家族を病魔から守る「魔除け」

そこで、最も一般的なのが、家の入り口である玄関や軒先に吊るす方法です。かつて、病気は外からやってくる悪霊(疫病神)の仕業だと考えられていました。この、強い生命力を宿したアジサイを入り口に吊るします。そのことで、悪霊が家の中に入り込むのを防ぐ「結界」の役割を果たしました。そして、家族の無病息災を願いました。

② トイレ:生涯健康に過ごすための「下の病気封じ」

実は、ご年配の方を中心に、今でも根強く実践されているのが「トイレに吊るす」という風習です。「6月6日の朝にアジサイをトイレに吊るす。そうすると、生涯下の病気(婦人病や老後の排泄の悩みなど)にかからない」と信じられてきました。

これは、不浄を清める神様である「烏芻沙摩明王(うすしまみょうおう)」への信仰と結びついています。かつて、昔のトイレは衛生環境が悪く病気の発生源になりやすかった。そのため、「生涯、自分の足でトイレに行き、健康に天寿を全うしたい」という庶民の切実な願いを託したのです。

③ 自室やキッチン:お金が貯まる「金運・財運アップ」

最後に、自室の壁や、西側の窓辺、キッチンに吊るすとよいといわれています。それは、「お金に困らない」という金運アップのお守りになると言われています。つまり、アジサイの花(ガク)が小さく無数に密集させて咲かせる姿が、「お金(硬貨)がたくさん集まっている様子」に見えるといわれていました。そのことから、財を呼び込む縁起物とされました。

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風習の歴史的ルーツ:江戸時代の「蜂の巣」と「本草学」

このアジサイを吊るす風習の歴史を遡ると、江戸時代の面白い大衆文化が見えてきます。実は室町・戦国時代まで、アジサイは花の色が変わることから「移り気(=裏切り)」の象徴とされいました。ですから、武士には嫌われていました。しかし、平和な江戸時代中期以降、評価は180度反転します。

ルーツA:遊郭で行われていた「蜂の巣」の縁起担ぎ

まず、江戸時代の吉原などの「遊郭」や商店では、客寄せ(千客万来)のお守りとされていました。本来は、「本物の蜂の巣」を玄関に逆さまに吊るす習慣がありました。これは、多くのハチが出入りする様子から「客がひっきりなしに出入りする」とされたのです。 しかし、本物の蜂の巣は手に入りにくいため、見た目が非常によく似ていた「手まり状のアジサイ」を代わりに逆さまにして吊るすようになりました。そのことのが、始まりの一説とされています。

ルーツB:江戸本草学(薬学)の発展

次に、江戸時代に大発展した植物学・薬学(本草学)の影響も大きいです。当時、アジサイの近縁種である「アマチャ(甘茶)」などの葉は、解熱や不浄除けの漢方として実際に使われていました。 ジメジメした梅雨時期に流行する伝染病や害虫に対してです。そして、「アジサイの強い薬効の力を借りて病魔を防ぐ」という医療的な防衛策が、お守りという信仰へ変化していったのです。(ただし、アジサイ自体には強い毒を有しているので、適切に販売している甘茶とは異なります。)

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三室戸寺の本堂( 参考: 日本遺産ポータルサイト - 文化庁)

信仰の聖地:京都・三室戸寺の「あじさい守り」

実は、この風習は、現代でも特定の「お寺」において、伝統的な年中行事として大切に守られています。その筆頭が、京都府宇治市の「三室戸寺(みむろとじ)」です。

その昔、奈良時代(770年)に創建された三室戸寺が建つ山谷は、古くから清らかな水源に恵まれた地でした。まず、仏教において、梅雨の病は体内の「水や気の滞り」が原因と考えられていました。そして、「三室戸の清らかな観音様の水(慈悲)で不浄を洗い流し、病魔を退散させる」という祈祷が平安時代から行われていました。

さらに宇治の山々は薬草の宝庫でもあり、アジサイの仲間のアマチャなどが自生していました。この生命力と、全国の「アジサイを逆さに吊るす民間信仰」が、お寺の千手観音信仰と融合。そこで、現在でも毎年6月には特別な「あじさいの魔除け・一年の厄除け祈祷」が執り行われいます。ですから、多くの参拝者が「あじさい守り」を買い求めています。

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自宅でできる!伝統的な「飾る作法(作り方)」

それではここで、この伝統的なお守りを作る手順をご紹介します。ご自宅の庭に咲くアジサイや、お花屋さんで購入したアジサイを使います。

準備するもの
  • 咲き誇っているアジサイの花(1輪)

  • 半紙(または白い紙)

  • 水引(紅白、または金銀。なければ麻紐でも可)

吊るすまでの手順
  1. 摘み取り: 6月6日(または6のつく日)の朝、新鮮なアジサイをカットします。(お花が固まったものを選びましょう。つぼみのものや色が薄いものなどは水落ち(萎れてしまう)の可能性があります)

  2. 半紙で包む: アジサイの茎の根元、または花全体を包むように、白い半紙で丁寧に折って包みます(半紙に家族の氏名や「無病息災」などの願い事を書く作法もあります)。

  3. 水引で結ぶ: 半紙の上から、感謝と祈りを込めながら水引や麻紐をしっかりと結びます。

  4. 逆さまに吊るす: 玄関、トイレ、キッチンなど、ご利益を得たい場所に「逆さま(花が下、茎が上)」にして吊るします。

  5. 1年後の掛け替え: そのまま1年間吊るし続け、翌年の同じ日(6月6日)に感謝を述べて処分し、新しいものへと掛け替えます。

【綺麗に保つコツ】 まず、アジサイは水に浸けずに逆さまに吊るしておくことで、自然に美しいドライフラワーへと変化していきます。ただし、お花が固まった半ドライフラワーのものを選んでください。ここでmつぼみのものや咲き始めのものだと萎れる可能性が高くなります。さらに、途中でカビが生えないようにしてください。そして、できるだけ直射日光の当たらない風通しの良い場所に吊るすのがポイントです。

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現代の「アジサイの日」:SNSでのリバイバル

この歴史ある風習ですが、実はここ数年、SNSやライフスタイル系メディアを通じて若い世代の間で爆発的な再注目(リバイバル)が起きています。

Instagramなどでは、6月になると「#アジサイの吊るし」「#紫陽花守り」といったハッシュタグとともに、おしゃれに飾られた写真が多数投稿されています。

半紙に包まれ、麻紐や水引で結ばれたアジサイは、まるでインテリアショップに並ぶ「スワッグ(壁飾り)」のよう。アジサイは逆さに吊るすことで綺麗なドライフラワーになります。そして、「古臭い迷信」ではなく、「季節を慈しむ、おしゃれな厄除けインテリア」として、現代のマンションライフなどにも自然に溶け込んでいます。

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先人たちの優しさに守られて

かつて医療が乏しく、体調を崩しやすかった梅雨の季節。先人たちは、目の前で美しく色を変えて力強く咲くアジサイに神聖な力を宿らせ、家の中に迎え入れることで、大切な家族の健康としあわせを願いました。

アジサイを逆さまに吊るすという1つの風習の中には、時代ごとに形を変えながらも、常に「誰かを守りたい」「健やかに生きたい」という、日本人の優しく切実な想いが凝縮されています。

ただ美しい景観として眺めるだけでなく、6月6日という特別な日に「飾るお守り」としてアジサイを暮らしに取り入れてみませんか?その青や紫の美しいグラデーションが、私たちの日常をもそっと優しく守ってくれるはずです。

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