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    秋の七草

    秋の七草 は万葉の頃から

    秋の七草は、日本最古の和歌集「万葉集」に記載されている山上憶良の詠んだ歌にあるといわれています。

    春の七草は、おもに健康に配慮した滋養を高める効果があるといわれ、食するものでした。

    ところが、秋の七草は、なんで七草に選ばれたのかよくわかりません。

    その万葉の時代に都の近くに生えていた花をうたったものなのでしょうか。

     

    山上憶良の読んだ万葉集の秋の二首

    「秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり) かき数(かぞ)ふれば 七種(ななくさ)の花」(巻8-1537)
    「萩の花 尾花 葛花 なでしこの花 をみなへし また藤袴 朝貌(あさがほ)の花」(巻8-1538)

    上は実存する写本の一部です。

    山上憶良(やまのうえのおくら 660?~733?)という人は、奈良時代の優秀なお役人でした。第八次遣唐使に任ぜられます。唐にわたり、儒教や仏教など最新の学問を学びました。ところが、あまりの儒教や仏教の思想に傾倒していたことから、死や貧困、老いや病などまた、身分差や防人、社会的問題などの矛盾を鋭く観察するなど、社会派歌人として活躍していました。そのため、代表的な歌に『貧窮問答歌』、『子を思ふ歌』などがあります。当時としては、大伴家持や柿本人麻呂、山部赤人らと共に奈良時代を代表する歌人として高く評価されていました。

    秋の七草、実は薬!?

    秋の七草は実は薬だった!?という説があります。

    先ほどの山上憶良の歌に登場する秋の七草。

    萩、ススキ(=尾花)、葛、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、キキョウ(=朝貌)が秋の七草です。

    下に一覧の表を作ったのですが、ちょっと見づらいかもしれません。

    詳細は>>>こちら

    秋の七草

    ヤマハギ(山萩)

    マメ科ハギ属 落葉広葉樹

    単にハギといえばヤマハギを指す。

    開花期は6~9月。山間の明るいところに自生。株が大きくなるため、土留めなどに植えられることも多い。

    万葉集には秋の花として多く詠まれ、人気の花材。茶花として扱われることも良くあるが、切花としては流通することが少ない。

    秋の七草

    ススキ(芒・薄) 

    イネ科ススキ属 多年草

    別名・尾花。尾花の由来は、ススキの穂が動物の尾に似ていることに由来する。花穂は荻(オギ)に似ているが、ススキは株立ちになっており、区別がつく。日本全国に分布し、明るい山野に自生する。かつては茅と呼ばれ、かやぶき屋根の材料になった。一時、アメリカやイギリスのガーデンでは、東洋的な草花として人気だったが、繁殖力が旺盛で侵略的外来種として認定されている。

    秋の七草

    クズ(葛)

    マメ科クズ属 多年草

    葛は、葛根湯などの生薬や葛湯・葛切りなど和菓子に利用されることが多い。開花期は7~9月頃となる。つる性の多年草ではあるが、時に大きくなりすぎることがあり、アメリカでは侵略的外来種とされている。根は長い芋状となる。この根の部分を利用する。山野にありふれているため、切花としての流通はほぼない。  

    秋の七草

    カワラナデシコ(河原撫子)

    ナデシコ科ナデシコ属 多年草

    単にナデシコと呼ぶ場合はこの品種を指す。別名・大和撫子。本州・四国・九州・沖縄諸島・朝鮮半島・中国・台湾に自生する。古くから栽培もされて古典園芸植物として、特に江戸時代にはたくさん品種改良された。

    秋の七草

    オミナエシ(女郎花)

    オミナエシ科オミナエシ属 多年草

    北海道から九州のほぼ全域に自生する。開花期は8~10月。秋の七草の中でも茶花や生け花の材料として使われることが多く流通量も多い。オミナエシの語源はよくわかっていない。別名オミナメシともいい、古い農家では単にメシと呼ぶことがある。ちなみに白花の品種をオトコエシ(男郎花)とよぶ。

    フジバカマ

    フジバカマ(藤袴)

    キク科ユーパトリウム属 多年草

    中国と朝鮮半島が原産といわれている。日本へは古い時代に帰化された植物と考えられており、万葉集にはすでに日本人に親しまれていた。花色が藤色をおび花弁の形が袴に似ていることから藤袴と呼ばれる。漢名では香水蘭とも呼ばれ、かつては蘭といえば藤袴であった。班が沸きするとほのかに芳香を放ち、かんざしや香り袋として身に着けていた。また入浴や頭髪剤としても利用していた。

     

    秋の七草

    キキョウ(桔梗)

    キキョウ科キキョウ属 多年草

    日本の他に朝鮮半島、中国、東シベリアに自生する。万葉の頃はこの花をアサガオ(朝貌・朝顔)と呼んでいた。万葉の頃ころから親しまれており、歌の題材となった。園芸種としては、江戸時代にはすでに紫・白の他に、絞り咲きや八重咲など様々なものがあることが『花譜』『花壇地錦抄』などの書物で確認されている。江戸時代末期には緑八重や濃い黄色、ウサギの耳のように咲く兎耳桔梗、平らに咲く平皿の紋桔梗など現代途絶えてしまった品種があった。

    まとめ

    萩や葛などの流通に適さないもの以外の5種は切花として現代でも流通しております。

    KALIANgでもシーズンになると店頭へ入荷してまいります。

    秋の七草は万葉の頃からですので、すでに1000年以上前から親しまれています。

    逆を言うと日本人はこれだけ長い年月、お花を愛し親しんできました。

    秋の季節を感じるとき、そんなお花たちをぜひご自宅に飾ったり、大切な方へ季節の挨拶と共に贈ってみませんか。

    吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

  • 菊の節句2025
    KALIANgからのお知らせ,  お花のおはなし,  商品のご紹介,  投稿記事,  日々のこと

    菊の節句2025

    菊の節句2025 (重陽の節句)店頭の商品ご案内

    菊の節句2025のお知らせ

    おはようございます!こんにちは!こんばんは!フラワーショップKALIANg(カリアン)です。

    9月9日は重陽の節句ということで別名「菊の節句」といわれます。

    これは、この時期に菊が美しく咲くというのもあります。

    れだけでなく、秋は長寿を祝ったり願ったり。

    または、あの世とこの世がつながる、もしくは、祖先信仰などもあります。

    そして、長生きすることなどに感謝する。更に、自分より年長の人(人だけでなく先祖もふくめて)敬うというのが風習としてあります。

    そこで、菊の花に思いを寄せて、飾ってみましょうというのが「菊の節句」です。

    実は、菊にはよい香りがあります。

    古来よりこの香りが、厄災を除ける、と信じられてきました。

    例えば、菊酒。

    菊の節句2025

    オールドノリタケのおちょこと菊酒

    この菊酒は、菊の花びらをお酒に浸し、菊の香りと菊の花びらと共に頂くものです。

    これは、菊の香りが体内に入り、体内の病魔を除けて、健やかにするもの、と考えられてきました。

    実は、科学的にも菊の花びらにはビタミン成分が多く含まれていて、本当に健康にとって効果があると実証されているのです。

    そのほかにも、菊の花に綿をかぶせた「被せ綿」というのがあります。これは、菊の花の夜露を綿にしみこませ、これを重陽の節句の前夜に身に刷り込むと邪気を払い健康になるというものです。

    更に、菊湯や菊枕など菊を使って健やかになろうとする暮らしの工夫もありました。

    ですから菊を飾ったりするだけでなく、菊を衣食に取り入れることによって昔は長寿や健康を願っていたようです。いまでも食用菊としてスーパーマーケットなどで売られています。

    菊の節句2025 のショウウインドウの菊

    それではいくつか店頭のラインナップをご紹介いたします。

    本日のウインドウの様子です。

    菊の節句2025
    菊の節句2025
    菊の節句2025

    今年もオールドノリタケのツボにお花を活けてみました。

    黄色い可愛いピンポンマムです。お月見に向けて人気となるマムです。

    菊の節句2025

    ディスバッドマム ヘッジホッグ

    同じくディスバッドマム ピンポンマム

    菊の節句2025

    輸入の染色したマムです。緑の他に、黄色、オレンジ、青とあります。

    菊の節句にあわせるお勧めの秋の花

    ワレモコウ(吾亦紅)

    パニカムジャーマン

    ススキ。秋の七草のひとつ。秋には10月6日のお月見まで大活躍。

    まとめ

    いかがでしょうか。

    まだまだ暑い日が続きますが、KALIANgは既に秋の装いです。

    よろしければ、秋の雰囲気を感じに、是非、足をお運びください。

    KALIANg

    〔サイトマップ〕